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New Balance ML610T AH

人と一緒が良いけど違うのが良い、を求める人へ

皆さんが知っている、あるいは履いている〈ニューバランス〉のシューズのほとんどがランニングシューズなんですけど、今回ご紹介するML610Tもランニングシューズの系譜にはありながら、トレイルランニングやライトハイキングといった「山寄り」な一足です。

new balance / ニューバランス
ML610T AH
ITEM CODE: ML610TAH
¥11,990(税込)

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人気だからこそ、その中でも少しだけ差別化したい


アッパーはシンセティックレザーとメッシュで、いかにも今っぽいシューズ。その他のランニングシューズと比べてもゴツゴツとしたソールや、アッパーのダイナミックな切り返しが印象的です。でもやっぱり〈ニューバランス〉なカッティングだとすぐ分かりますよね。シューレースが丸紐になっているのもアウトドア風味です。
     
トレイルっぽいデザイン要素も多く、ジグザグの補強ステッチが多用されていたり、幅のあるシンセティックレザーにはパンチングで穴を開けて強度と通気性を両立したり、モデルナンバーも山のイラストが書かれていたりと、900番台や1000番台には無いポイントが多いです。それに天然皮革じゃない分、見た目以上に軽いです。重たそうに見えますが重たさは感じません。
     
ツーリングはABZORB(アブゾーブ)とN durance(エヌデュランス)のコンビ。ABZORBは〈ニューバランス〉の大定番クッショニングシステムで、衝撃吸収とその吸収した衝撃を反発して推進力に変えるミッドソール。N duranceは耐摩耗性に優れた硬質なラバーコンパウンドのアウトソール。安定したコンビです。いくら他の人と違う〈ニューバランス〉だからと言っても履き心地の良さは捨てていません。
     
アウトソールはランニングシューズではまず見かけない、凹凸がハッキリと出たデザインで地面を掴むのに適しています。触ってみるとグレーの部分の方がブラックの部分より硬めに感じました。アッパーには他のモデルとの共通項を感じさせつつも、確実に印象を変えるラグソール。〈ニューバランス〉が大人気で履きたいけど人と被りたくない、という方や〈ニューバランス〉は好きで何足か持ってるけどちょっと差別化したい、という気持ちの方にはうってつけです。
     
オリジナルのMT610は2011年に登場しており、今回はアップデート版として2022年よりML610で再登場。この「感じ」はまさに今じゃないでしょうか?〈ニューバランス〉のこうしたデザインって、狙ってやると違うんですよね。〈ニューバランス〉は「ガチ」っぽくてそこが魅力です。なので、ティーンエイジャーも還暦もハマるんだと思います。
     
「スニーカーってカジュアルで若い人のもの」という先入観を飛び越えたデザイン文法が〈ニューバランス〉の持ち味であり、最大の秘訣だと自分は考えます。これには明確な理由があって、〈ニューバランス〉の靴がスタイリッシュではないことが、そうさせているのだと考えているからです。デザインにカッコつけがない。大人になっても「自分がスニーカーにチューニングしないで済む」理由になっています。
     
自分が過去に憧れていた〈ニューバランス〉の愛用者、特にアイコンにはユナイテッド・アローズの栗野さん、ミュージシャンの坂本龍一さん、アップルのスティーブ・ジョブズさんなど、いずれも「おじさん」が目立っていました(大変失礼な言い方で申し訳ないですが…)。彼らを見てきて、彼らに憧れた少年〜青年時代の記憶がなおのことそうさせているのかもしれません。
     
こういうシューズはテックっぽいスタイルも古着っぽいスタイルも幅広く使えるのが利点です。ニューバランスは理屈じゃなく、どこか品格があるというか汚さがなくて、どんな使い方をしてもそれなりに上品という良さがあります。こうした山寄りのデザインでも日常使いに馴染みが良く、ニューバランスらしい楽しみができるとともに新たにアウトドアテイストも楽しめる一足です。
     

ML610TAHを使ったスタイリング


   
発行日: 2023/05/03 〈 文=STAFF N 〉
 
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